めっちゃおもしろかった。特に2.5次元舞台編。ステアラ出て来て草。
私はオタク側の人間なので当然ながら業界内の事は詳しくないけど、2.5次元舞台から演劇が好きになったので2.5次元舞台の話に首がもげる程頷いてしまった。
作中に出て来た【説明台詞が無く役者の演技だけで心情や状況や物語を伝える脚本と演出】これ私好きだな〜と思った。
2.5次元舞台の多くは原作を知らない俳優ファンや舞台慣れしてない原作ファンに配慮してなのか、それとも客を馬鹿だと思ってるのか、役者の能力が足りないからなのか、演出家の力不足なのか趣味なのか、はたまた全部か分からんがとにかく「説明台詞」が欲しい。
2.5次元舞台でなくても説明台詞が多い演劇は多い。
これ、私はあんまり好きじゃない。ノイズだと思ってるし眠くなるし飽きる。
サメ映画の森のシーンは愛せるけど演劇における過剰な説明台詞は愛せない。
これは私は「演劇をどう観るか」というか「観劇者」(というと仰々し過ぎるけれど)としての感性を育ててくれた私の推し劇作家の作風というのもあると思うけれど。
もちろん台詞は大事。そりゃそうだ。
でも私はもっと「考えたい」のだ。分からない事を楽しみたい。
もっと言うと「勘ぐりたい」のである。解釈の空白が欲しい。
表情だけで見せる、動くだけで見せる、そういう演劇が好き。
それがものすごく技術が必要なのも分かってはいるけど、そういうのが見たい。
見たいと思っているし、私は「作品」に「育てて」欲しいのだ。感性とか読み取る力とか、そういうものを。
ドM的に言うと私の感性をしごいてほしい。私は刺激が欲しくてエンタメに触れている。
でも劇中に出て来たような「演技全振り」の作品というのは舞台でも映画でもドラマでも難しいのだろうと思う。
私もそこまで読み取る賢さがあるわけでもないし、そこまで出来る役者って本当にそんなにおるんか?と思う。
私にも好きな役者はいるし上手いなぁと思う役者はいるけれど…
「上手い演技って何だろうなぁ…」って考えちゃうけど。
上手い演技って何だろうね?わかんないや。
作中ではこの2.5次元舞台は大成功しているけど、こんなものは夢も夢。
私も観劇趣味にして10年くらい経つけども神舞台を観た本数なんて片手が埋まるかどうかな…って思う。
それは私のアンテナが悪いかもしれないけど。
役者に高い芝居能力があったとしても、それを活かせる本を描ける作家がどれだけいるんだろう…とも思ってしまう。
それでもこの2.5次元舞台編は胸が熱くなった。
ぶっちゃけ私はもう2.5次元舞台を卒業したい…と思っているのだけど、なんだかんだあって卒業できないかもしれない。
もう2.5次元舞台はいいや…と思いつつもわだっくま大佐に釣られクマーして観に行ったのがハガレンだった。
私はよく「エンタメは博打」という言葉を使う。
これは私が好きな作家さんが言った「本買うなんざ博打だ」という言葉を使わせて貰っている。
これは「勝つか負けるか分からない」と言う意味も勿論あるけど、「勝利なんて絶望的だけどでも最終結果出るまで分からない。爆死しそうな所からでも大逆転があるかもしれない!」という意味の方が大きい。
ようは「クソ舞台かもしれないけど実際観たら違うかもしれない!いいや!勝たせてくれ!!」という願いを込めての言葉だ。
どうかどうか私の今の「クソ舞台っぽい…」という予想を覆してくれ!という愚かな願いなのだ。
どうしてこんな事を私は思うのか。それはね、私は自分の推測や予想を覆される事が大好きだからですよ。
だっておもしろいじゃん、その方が。
舞台制作側と原作側が揉める話、私はさすがにそこまでの裏側は知らないけど、たまに何でも喋っちゃう脚本家の人とかいるけど。
(因みにこういう人は私はすごく苦手です。裏の揉め事をファンにお知らせしないでくれ。業界の喧嘩にファンを巻き込むな)
当然ながら何事も専門だったり特化というものがある。
「良いマンガを描く力」と「良い舞台を作る力」は全くもって別物なのだ。
舞台の脚本を原作者が描いたからと言って成功するとは限らない。
マンガはマンガ、アニメはアニメ、そして舞台は舞台なのだ。
実は私は「大好きな原作マンガの舞台」を観に行った事がそんなにない。
観たことある2.5次元舞台はだいたい舞台を観てから原作原案に触れたりする。
原作が大好きで観に行った舞台と言えばマジでハガレンくらいでは。
原作予習してから観た舞台ってあったかな…あった気がするけど思い出せない。何だっけ…やべぇマジで思い出せない…
(調べました、バクマンです。ちゃんとブログ書いていて良かった)
ハガレン舞台はマジで出来が良かったので私の中では文句が一切ない。
個人的には原作通りでなくてもおもしろければそれでもいい。
上でも行ったがマンガはマンガ、舞台は舞台なのだから。
逆に言えばおもしろくなかったら怒る。
私は「説得力で殴られたい」という事をよく言う。言い方は乱暴だけど。
これまた言い方は乱暴だけどアニメでも舞台でも「演者」がつくという事は、原作を読んでいる時にはなかった「異物」が入るという事だ。
マンガでも小説でも自分の自由に読んだり解釈出来たりするが、これがメディアミックスとなると様々な事情だったり他人だったりが絡み合った「複合物」になる。
不純物と言っても良い。それはもうどうしようもないのだ。
それを「この媒体ではこうなんだ!」という圧倒的なパワーで屈服させられたいのだ。
それこそ全力の「嘘」で。
原作を読んだ時の自分の解釈はこうだったけど、舞台では、アニメでは、こうなんだ!というパワーを見せつけて欲しい。
私は自分が頭が固くてこだわりが強いめんどくさいオタクだと自覚しているので、だからこそそういう作品のパワーを浴びたいのだ。
「クリエイターが団結するとトガった作品になりがち」と作中で出て来たけど、いいじゃんそれで、と思った。
私は基本トガっているものが好きだ。もちろん中身がある「トガり」である。
頼むから日本のエンタメ界よ、ヒヨってくれるな。トガっていてくれ。
でも「トガり」を勘違いしないで欲しい。人を傷付けるだけのそれはトガりでも何でも無い。それはもう単に「終わってる」だけなので。普通に不愉快だしな、勘違いトガり。
他にも色々感想言いたい部分はあるんですが、とりあえず2.5次元舞台の所は感想書きたくてしょうがなかったので書きました!
また【推しの子】の感想書きま~す!
※追記※
追記の文章を書いていたんですけどエラーで全部飛んだので書いていたことを箇条書きにします。
なんだよ!2.5次元のことこき下ろすようなこと書いたから天罰下ったんか!?
「新規客には2.5のファンではなく演劇のファンになってほしい」はその通りだし私もそう望んでいるけど1000人の2.5観客の1/3が演劇ファンになったらいい方。
2.5次元舞台の「チケットが取れないほど大人気」は、原作、キャスト、スタッフ、ハコ…その他諸々の条件が揃わないと成り立たない。
この俳優がこの作品のこのキャラを演じている時だけ観に行く客も大勢いる。オリジナル舞台は観に来ないファンも多い。
作品だけでも駄目、俳優だけでも駄目。
都内公演は競争率バカ高でも地方公演は例えそれが大楽でもスカスカという事も多々ある。
「人気の俳優が人気の作品で人気のキャラを演じて都市部の会場」のここまで揃わないと「チケットが取れない2.5次元舞台」にはそうそうならない。
「演劇を観る」というのはお金も時間も大変。昨今のオタクはすぐキレるからめんどくさい。
それでも小難しい事や複雑な事考えるに理性よりも何よりも先に「観たい!」が先へ先へ走ってしまう程に狂ってしまう出会いはある。
それはアイドルでも演劇でもそう。あらゆるエンタメがそう。
「演劇ファンを増やす2.5次元舞台」は「既存の2.5のルールを守りつつ壊しつつの塩梅」なのはそれはそう(経験談
舞台「東京ブレイド」はオタクが「2.5次元っぽくない!チケ代高い!公演時間長い!ステアラなんてクソハコ!」ってsnsでオタクがキレ散らかして最初は全然チケット売れないけど
初日以降評価爆上がりで毎公演スタオベ。チケットの売れ行き悪かった大千穐楽も完売御礼になり多くのオタクはロスになり「再演希望!」「続編希望!」の声も多数。
たぶんチケット代は11000円で公演時間は休憩込みで3時間かな!
※さらに追記※
や、やべ~~~!あたい「大好きな原作の2.5次元化がハガレンしか観たことない」とか言ってたけど、観てたわ!最遊記!!うわぁぁぁぁぁごめんなさい!!!
べ、別にそんな観てなかった事にしたわけじゃ…なくて…
今日歯医者で治療受けながら唐突に思い出した。いや、最遊記は2.5観に行ったやんけ!って思い出した…治療を受けながら…なしてそこで思い出した。
本当に申し訳ありませんでした。